直観(Intuition)

直観(Intuition)

直感とは、人がある物事がどこでどのように発生したかなどその本質を知るために必要な知識を持っていない場合、行動の方向性や問題の解答をすぐに理解しなければならない時に、最も特徴的なものとして現れる現象である。似た概念に「洞察」や「ひらめき」があるが、直感の場合は、その人はその時に意識していないが、潜在的に知識が利用可能であり、また過去において神経系に蓄積されているのではないかということが論理的に導かれる。つまり刺激を受けることによって豊富な経験が呼び起こされているということであり、このことは、初期の直感の科学的な説明に用いられている。

この直感の「人は、急な決定を下すために意識なしで、以前に格納された学習や知識を単に利用しているだけだ」という説明は、たとえば、自転車に乗る場合、その手続き的な知識について考えるとわかりやすい。自転車に乗る場合、乗るために知っていなければならないすべてのことを思うとは限らない。しかし、それに関して考える必要がおきた場合は、実際に知識は存在しているからである。

反対の神秘的な説明では、直観は人の外部で生成されるという見解がある。すなわち、神や宇宙などの力から、個別で不可解な方法で人に知識を知らせるというものである。これは実際には霊感(インスピレーション)から派生したと考えられる。

第三の見解は、人の神経系が経験や環境から部分的な情報をとり、そのときの状況に関して以前にはなかった’最上の’可能性を作り上げるという説明である。、この選択と表現方法は意識に対してどのようにもたらされたかは未知のままである。

これらの3つの説明には欠点があり今後の研究が期待されている。

[文献]

  • Runco, M.A. & Pritzker, S.R. (ed.) (2011) Encyclopedia of Creativity

(柴山盛生)