内発的動機づけ(Intrinsic motivation)

内発的動機づけ(Intrinsic motivation)

動機づけとは、行動にエネルギーを供給し、指令を送っている状態のことである。それは生理的欲求(飢えや渇き、性的な欲求)からくる動因信号によるものから、外的な誘因刺激(実際に食べ物が目に入る)に引きつけられて指令が送られる場合もある。

とりわけ、内発的動機づけは、自分自身の行動の源が、自分自身の感情や興味関心、達成感や優越感、自己効力感が得られるといった内的な欲求や信号に由来するものをいう。内発的に動機づけられている場合には、勉強や仕事に集中して取り組める反面、外的報酬が大きな影響をもつようになると、自己決定の意識が弱くなり、課題へのやる気がなくなってしまう。

内発的動機づけを扱った自己決定理論(Self Determination Theory; Deci & Ryan, 2000)では、人間のもつ基本的欲求に基づいて行動する内発的動機づけの役割として、自律性(自分の価値観や興味に基づく行動)、有能感(自分ができるという自信)、関係性(大切にされている、他者とつながっているという実感)の重要性を説いている。

[出典]

  • ホークセマ, S.N.ら著「ヒルガードの心理学 第16版」 内田一成訳 金剛出版

(西浦和樹)