技術の流れ管理(Managing the flow of technology) 櫻井敬三

技術の流れ管理(Managing the flow of technology)

研究開発を1つのシステムと捉え、技術の情報処理の観点で研究技術者のコミュニケーション研究を行っている。技術の情報処理とは、外部と内部の情報源をインプットし、技術の具現化作業により新たな有形な情報(製品やサービス)を形成するとしている。例えば内部情報の提供者としてのゲートキーパー(外部の情報を咀嚼し、有用な使える情報へ加工し必要に応じてわかりやすく伝授してくれる人)の存在が、技術革新に有益であるとか、研究者同士の意思疎通のためには近傍にいることが重要であるとか、研究所の職場環境などにも言及している。その結論は米国連邦政府の研究機関に所属する多数の研究者の、相互依存関係性を綿密に分析した結果に基づく、実証研究によるものである。したがって、研究開発段階の創造性開発のための情報収集に関する研究にりとっては貴重なバイブル的著書である。

[文献]

  • Allen T.J. , “Managing the flow of technology” , MIT Press 1977 (中村信夫訳 「技術の流れ管理法」 開発社 1984年)

(櫻井敬三)