問題発見(Problem finding)
創造性に関する研究の主なアプローチの1つに、創造的な問題解決および創造的思考に含まれる認知過程を調べることがある。多くの認知過程モデルには第一ステップに問題発見やそれに関連するものが含まれている。問題発見のほかに、問題定義、問題識別、問題公式化、問題生成、問題発見および問題構築のような用語で呼ばれることがある。各用語の定義は多少異なる点があるが、ほぼ共通の面がある。
問題発見には2つの要素があり、一つは問題解決者に示されていない状況に対する問題の予想、識別、可能性などを見つけることであり、もう一つは解を公式化するために出発点を提供する流れの中で、その問題の構造化や定義を行うことである。
問題の種類には、その問題が問題解決者に与えられる程度によって、よく構造化されて問題解決者に与えられた「提示された問題」、あやふやであり問題解決者が識別をする「発見する問題」、以前に存在せず問題解決者が見つけるか生成する「創生または生成する問題」に区別されている。問題発見の役割は、問題があやふやな場合に特に重要となる。問題発見の一つの面として、ある条件下で回答可能な問題と特定されることが要求される。また、問題の構造化や定義が必要である。創造的な問題解決では第1ステップが問題発見とみなされ、次に情報検索、アイディア創生、アイディア評価などが続く場合、創造的な問題解決は固定されていない。多くの過程モデルでは問題解決者が前の段階に戻るような循環する性質を仮定している。後の過程で困難に直面するような場合によく起きる。たとえば、新しい方法で問題の状況について考えることが必要とさせる新しい情報を発見したような場合である。同様に、アイディア評価の段階で発展するような良いアイディアがないとわかった場合、前の段階に戻ることが考えられる。
[文献]
- Runco, M.A. & Pritzker, S.R. (ed.) (2011) Encyclopedia of Creativity
(柴山盛生)